モバイルファーマシー®災害対策医薬品供給車両Mobile Pharmacy
モバイルファーマシー®とは
東日本大震災の際に、薬局が流されてしまい、緊急医療チームの撤収後に薬の供給が止まってしまうという問題がありました。
その問題を解決すべく、宮城県薬剤師会がキャンピングカーを利用した移動薬局を考案。VANTECH(バンテック)と共同開発した車両です。
薬剤不足の危機を救う「移動薬局」
近年の新型コロナウイルス感染症や大きな災害によって、医師、看護師、病床とともに不足が懸念されているのが薬剤です。モバイルファーマシー®は長期的に薬の供給問題が起きている地域などの地域支援はもちろん、有事の際には広域支援としても力を発揮します。
活用と改良
開発の際には多くの課題がありました。特に振動に弱い分包機などの搭載です。そこで見つけて来たのが新幹線にも使われているクッション材で、車の振動を軽減できるよう、車の振動に合わせた硬さのクッション材を選択しました。 熊本地震で活用された際には、「医者から処方箋をもらって薬をもらいに来る患者」と、「けがなどで自ら薬をもらいに来る患者」とが一緒の動線になってしまうことで混乱がおきてしまった為、薬の渡し口を設けたり、両側にサイドオーニングを張れるようにするなど、改良を続けています。
キャンピングカーの機能
キャンピングカーならではの機能として、移動中は引き出しが開かないような設計になっていたり、停電時でも自立的に発電できるので調剤という機能だけでなく、充電設備としても活用できます。ルームエアコン、給水タンクを標準搭載しており、シャワーやトイレなどの搭載も可能です。災害被災地のようなライフラインが途絶えた状況や、感染対策としての衛生面に配慮しなければならない状況でも活躍します。
導入実績
各県の薬剤師会からも注目を浴び、大分県、和歌山県、広島県の薬剤師会が導入を決定。
熊本地震生時には大分、和歌山、広島の3台が出動し、運用実績のある宮城県薬剤師会とバンテックのスタッフが説明役として参加しました。
これが高く評価され、導入が増えていった実績を持ちます。